サイアザイド系利尿薬

サイアザイド系利尿薬はガイドラインで推奨されていますが、あまり使用経験が少ない薬剤かと思います。
しかし、サイアザイド系利尿薬はすごく有用な薬剤ですので是非使ってみてください

知識

・2025年ガイドラインから体液貯留患者での使用が積極的使用になった!

・浮腫が改善した後の定常状態を維持するために使用

機序

・初期:遠位尿細管のNa/Cl共輸送体を阻害する

 →体液量減少により血圧を下げる

・長期:細胞内に取り込まれるNa濃度が低下し, 遠位尿細管に存在するNa+/Ca+交換体が活性化

 →Caが血管側に排出され, 血液中のCa濃度が上昇する

 →細胞膜上のCa感受性K+チャネルが活性化し, K+が細胞外に流出し膜が過分極する

 →細胞外のK+上昇により電位依存型L型Caチャネルの開口抑制

 →血管平滑筋が弛緩する

・遠位尿細管(Na7%程度の再吸収しかしない)に作用するため, GFRが低下するとほとんど利尿作用が得られない

 →GFR<30, Cr>2ではループ利尿薬を使うしかない

ループ利尿薬との違い

ループ利尿薬はNa+,K+,Cl-共輸送体を阻害することで電気勾配を作るROMKチャネルを間接的に抑制する
→電気勾配で細胞内に取り込まれていたCa+,Mg+の再吸収を抑制する

薬剤

・サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジド, トリクロルメチアジド)

・サイアザイド類似薬(日本ではナトリックスのみ)

の2種類。

しかし、使用をお勧めするのはサイアザイド類似薬!!
理由は2つ

・血圧がサイアザイド利尿薬より下がる
・心血管イベントや脳卒中の予防エビデンスが豊富

(1982;122:1010-30)

(HYVET試験)

使い方

・標準の半量で使う。

半量で降圧効果が得られており、副作用の発生頻度が低い

(BMJ. 2003 Jun 28;326(7404):1427)

副作用

・低Na血症

・低K血症

・高Ca血症

*骨粗鬆症の予防に使われることもある